昔から、「家は3回建てないと納得がいくものを建てられない」と言ったりしますが、それは本当でしょうか?いきなり家を新築すると失敗してしまうものなのでしょうか。
人生でそんなに何度も家を新築する人は限られています。だからこそここでは、さまざまなハウスメーカーの個性や特徴を知り、「自分に合ったハウスメーカー選び」の指針としていきましょう。
ハウスメーカーを、コンセプトで選ぶ
ハウスメーカーによって重要とするコンセプトはさまざまで、低価格に特化したものから、細部にわたるまでこだわりつくしたメーカーまであります。
低価格
こちらは文字通り価格をいかに抑えるかに特化したハウスメーカーです。「新築は高い」といったイメージを払拭して、徹底的にコストを抑えることで低価格な住宅を実現します。
標準装備で最低限の設備を備えた規格住宅となっていることが多いのですが、ハウスメーカーによっては独自のデータを持っているため、標準装備といっても十分納得のいくものもあるのです。
構造
一口に一軒家といっても、どんな構造なのかによっても大きく変わってきます。
たとえば、ざっくり分けても木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造。そのなかで木造建築ひとつとっても、2×4工法や軸組構造、軽量鉄骨や重量鉄骨などの違いでまた差があります。
お住まいの地域の気候や、立地条件などで選定することも多いでしょう。
意外と知られていない工法のものまで多岐にわたって存在しているので、構造にこだわりを持つメーカーには気軽に聞いてみてもいいですね。
本物志向
少し値段は張りますが、せっかく建てるのであればいうことで、設計や居住空間を重視し、徹底的に素材を吟味しているハウスメーカーを選ぶというのはいかがでしょうか。
たとえば使用している柱や梁などの内部構造や、外壁・屋根にまでこだわりの建材や厳選された素材を選択して、顧客の満足感を引き出してくれるメーカーというのも存在しているのです。
こんな希望にまで応えてくれるのかな、というものでもとことん相談してみるといいですね。
都市型志向・狭小地に強い
郊外よりも狭い区画での土地販売が多い都市部では、狭小地や隣接する建物に影響されない設計や間取り造りに特化したハウスメーカーがおすすめです。
窓を開けるとそこは隣の外壁…というのは嫌だ、という方にはぴったりです。
郊外型志向・大きな間取り
広い敷地を持ち、伸び伸びとした空間で暮らしたい方という憧れを持つ方は、郊外型志向の住宅に特化したハウスメーカーを選んでみてはどうでしょうか。
大きな吹き抜けがあったり、柱や壁の制限が少なく、自由に間取りが考えられたりするハウスメーカーも存在します。
省エネ住宅に特化
最近ではよく耳にする「ZEH」「スマートハウス」や「LCMM」など、いわゆる「省エネ住宅」に興味があるという方もいるでしょう。
イニシャルコストはほかの住宅に比べて多少高額になる可能性もありますが、新築時には補助金なども豊富に用意されているうえ、何より省エネ住宅はランニングコストのパフォーマンスの良さが売りです。
これからの時代、マイホームに省エネ住宅を選ぶのは、大いに良い選択です。省エネ住宅に特化したハウスメーカーと二人三脚で、次世代マイホームの形を作っていくのもいいですね。
ハウスメーカーを、デザイン重視で選ぶ
一軒家のデザインは、いわば家の顔です。
デザイン一つでガラリとイメージが変わります。外壁の色やタイルなどの材質から、屋根の形状など、一目で変わってくるものから、機能で差がつくサッシや窓ガラスにもこだわりたいなら、そこを重視するハウスメーカーを選んでもいいですね。
外壁
外壁は最も見た目が変わる要素です。こちらもハウスメーカーひとつひとつで差異がある、といっても過言ではくらいに、独自の設計やデザインを打ち出している商品も多いのです。
モルタルやALC、サイディング、近年では屋根の素材に多く使われているガルバリウムや羽目板…何を選ぶかによって、デザインのみならず機能性も大きく変わってくるため、個性が出せる面のひとつですね。
屋根
一口に屋根といっても、いろいろな形の屋根があります。ただ日光や雨風をしのぐだけではなく、それぞれの形にはちゃんと意味があるのです。屋根の形は、実は見た目のデザイン以上に機能性の方が重要だったりもするのです。
もちろん、そこまでいくとかなりマニアックではありますが、外壁同様、機能面にもデザインにも個性を出していける部分であることは間違いありません。
外構
外構は一軒家を語るのに必要不可欠な部分です。建物本体との調和、周囲の景観との融合、さらには使い勝手や防犯など、さまざまな役割を果たしてくれます。
家屋が占めていない敷地部分をいかに有効に使うかが決め手で、機能面だけではなくデザインや価格なども大きく左右されるところです。
家屋の部分を二の次で外構にこだわる、という方はあまりいないかもしれませんが、家を総合的に考えたときには重要な部分です。要は家屋だけでなく、「外」の部分にもこだわりがある。そんな方は、そこを大事にしてくれるハウスメーカーを選ぶといいでしょう。
ハウスメーカーを、住宅ローンを使える金融機関で選ぶ
家の購入時は、大半の方が銀行や信用金庫、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)などを利用することでしょう。それぞれの金融機関にはさまざまな金融商品があります。自分に合った金融商品で家を新築、または購入するのも重要な要素のひとつです。
そこで重要なことが、実はハウスメーカーによって得意とする金融機関がある、ということ。
つまり、金融商品・金融機関でハウスメーカーを選択する、ということもできるのです。
メガバンク
大手の安心感と実績では、やはりメガバンクに勝るものはないでしょう。初めて住宅ローンを利用する方や、インターネットの知識にあまり自信がない方は、メガバンクや地方銀行をおすすめします。気軽に相談できる窓口があるのは大きなメリットです。
地方銀行
簡単にいうと、地方銀行は審査や住宅ローンの仕組みに柔軟性があります。金利は高めではありますが、独自の金利優遇プランなどが銀行ごとにあるので、うまく活用できればメガバンクよりお得になる可能性もあります。
信用金庫
意外に知られていないかもしれませんが、実は信用金庫にも住宅ローンがあります。しかも銀行とはまた違った審査基準を持っていて、銀行で審査が通らなかった方が、信用金庫であればあっさりと通った…ということがあることも。
年収に対する審査が甘い、ともいわれています。
ネット銀行
ネット銀行はメガバンクなどに比べると金利が低い傾向にあり、そして保証料が無料のケースもあります。
また楽天銀行などは、返済銀行に指定すればポイント付与も大きな特徴です。
インターネットさえつながっていれば、自宅に居ながら携帯やパソコンで申し込めるのも便利ですね。
ただ逆にいえば、基本的には窓口がないので、メガバンクの項でも述べたようにそれ自体がデメリットと考える人も少なくないでしょう。
住宅金融支援機構
堅そうな字面通り、公的な特徴を備えた組織である住宅金融支援機構。有名な金融商品は『フラット35』です。
こちらはやはり長期間の固定金利が魅力で、安定感を重視する人には向いているでしょう。
まとめ
どんなハウスメーカーを選んだらいいのかわからない、というお悩みを持つ方のために、「ここにこだわりがあるならこんなハウスメーカー」というポイントをたくさん挙げました。
これらをヒントにして自分の望み通りの家を建ててくれそうなハウスメーカーを見つけてみてくださいね。