希望は大きいけれど、かかる費用も大きいのが、マイホームの新築。ハウスメーカー選びからメーカーとのやりとり、契約、施工、完成…数か月の間で、残念ながらやはりトラブルや失敗はつきものです。
しかし前もってその事例を知っておくことで、避けることができる事態は多くあるでしょう。
ここではマイホーム新築の際、よくあるトラブル例や失敗談を紹介していきます。回避のために何ができるか?と考えながら読み進めてみてくださいね。
注文住宅でよくある失敗事例
大きな買い物だからと慎重に考えていても、やはりマイホームの購入ともなると気持ちが大きくなるものです。そんなときには普段とはまた違う失敗がつきもの…
予算オーバーしてしまった
できるだけ費用を安く抑えようとしてローコストハウスメーカーを選んだところ、標準の設備や工法では物足りなさを感じてしまい、あれもこれもとオプションをつけたり設備のグレードを上げたりしたところ、結局大幅に予算をオーバーしてしまった…
魅力的な設備(たとえば全館空調システムや太陽光発電など)は当然コストも高いものです。ローコスト住宅がなぜローコストで収まるのかということを考えると、それは「低価格のものを標準装備としている」からであって、そこに満足できずにハイコストの設備を加えようとすれば、予算オーバーは当然の結果となってしまうでしょう。
こういった状況を避けるためには、まずハウスメーカー選びの前に「住宅に求める要素をしっかり洗い出しておく」という作業が必要です。
新居でどんな生活を期待するのか、必要な設備や構造は…そういった要素をすべて列挙しておくことで、おのずと自分に合ったハウスメーカー選びにもつながり、また予算も立てやすくなるでしょう。
イメージとの相違・施工ミス
施主が伝えていた希望の設備と違うものがついていた、思っていたイメージと違っていた…
こういったトラブルも、残念ながら多いものです。完全にメーカー側の施工ミスであるならば、工事のやり直しや補償をしてもらって済む(それでもおおごとですが)ケースがほとんどですが、「イメージとの相違」となると施主側にも責任があるため、解決が難しいところです。
このようなことが起きる1番大きな原因は、やはり「行き違い」です。あらかじめ行っていた打合せでたまたま起きた勘違いや聞き違いから起きる、行き違い。もしくはメーカー側の伝達ミスなどが考えられます。
お互いに納得がいくまで何度も確認しあったり、書面にしてしっかり記録で残しておいたり、ミスは最小限に食い止めるようにしましょう。
長く住むことを計算に入れていなかった
住宅とは、よほどのことがない限りは、長くつきあっていくものです。どれくらい長くかというと、30年、40年はざらでしょう。
そうなると、今からでは想像もつかないかもしれませんが、若い頃とは打って変わって体が自由に動かなくなるものです。そうなってから「もっと老後を考えた間取りにしておけばよかった」と後悔することも少なくありません。
設計するときに、老後のことを想像するというのはなかなか難しいことでしょう。それでも、長く住み続ける住宅だからこそ、年をとってからの生活も考えて、間取りを検討しなければならないことを頭に入れておくと良いでしょう。
ハウスメーカー選びで失敗・後悔しないためのポイント
住宅展示場の活用の仕方に注意する
複数のハウスメーカーのモデルハウスをいっぺんに見ることができる「住宅展示場」。大手のハウスメーカーの大半は、全国の住宅展示場でモデルハウスを披露しています。
自分が気になるハウスメーカーが造る住宅はどんな雰囲気なのか、実際に中に入って確認できるうえに、スタッフの対応や質も見ることができます。
複数のハウスメーカーのモデルハウスが入っているので、比較検討するのにも役に立ちますね。
ハウスメーカー選びに住宅展示場の活用は欠かせないといえますが、注意すべきなのは「展示されているモデルハウスは、たいていが標準グレードよりもハイスペックなものでそろえられている」という点です。
モデルハウス通りのイメージ100%で自分の家が建てられるわけではない可能性がある、ということを頭にいれておきましょう。特にモデルハウスは「とにかく広い」ものも多いので、自分の家が完成してから「モデルハウスのイメージと全然違う」ということになりかねません。
どこまでが標準装備で、どこまでがオプションなのか、モデルハウスの仕様についてはしっかり確認しておきましょう。
知名度だけで決めない
知名度やブランド力の高い大手のハウスメーカーは、たしかに大きな安心感があります。そこを多大に重視する人であれば、ある程度知名度を目安にハウスメーカーを決めてもいいかもしれません。
しかし、知名度が高いからといって自分の希望に合った、理想のマイホームを造ってくれるかといったら、必ずしもそんなことはないですよね。
重要なのは、前述したように「自分の希望をしっかり具体的に洗い出しておく」こと。そしてハウスメーカーひとつひとつの特色を調べ上げ、自分の理想のマイホームを実現してくれるのはどこのメーカーなのかを見極めることです。
費用面だけで判断しない
何事も「安ければいい」というものではありません。特に大きな買い物であるほど、単純に費用の額面だけで判断できない部分が多くあるものです。住宅という、一生モノのレベルの買い物であれば一際です。
たしかに費用は安ければそれに越したことはありません。同じグレード、同じ仕様、同じサービスであれば、安価な方を選んでもいいでしょう。
しかし、安価であるということは必ず理由があるはずです。
たとえば、「資材を大量仕入れすることにより安く調達することが可能で、コストを下げられる」「最新の建築設備を導入したことにより、人件費を抑えられる」などのような理由であれば問題ないでしょう。
ところが、単純に「安価な資材を採用しているため品質が低い」「深く考えずに人件費をカットするためだけに大工の数を減らす」というような極端で劣悪なコストダウンをしているとしたら、品質に重大な差が出ます。
また、サービスや信頼・実績といった目に見えづらいところには金額で測れない価値がたくさんあります。
快適で幸せな生活のための住宅購入なのに、多少の費用の安さに惑わされて、結果不幸な買い物になってしまった…というのでは本末転倒です。
費用面の金額だけに着目せず、総合的な判断でハウスメーカーを選び、予算を組むことをおすすめします。
営業担当と二人三脚で
ハウスメーカー選びの1番のポイントといってもいいのは、信頼できる営業担当に出会えるかどうかです。売上重視ではなく、施主の希望や意見をしっかり聞いてくれて二人三脚で理想の家づくりをともに進めてくれる優秀な担当者に出会えれば、家づくりは半分成功したようなものといっても過言ではありません。
まとめ
一生モノの大きな買い物といえども、基本は売り手と買い手の信頼で成り立つ「マイホーム建築」。とはいえ、人対人のやりとりが中心になる以上、トラブルや失敗は残念ながらある程度避けられないものです。だからこそあらかじめ事例を知り、どうしたらトラブルを回避できるか、リスク管理をしながら理想の家づくりを進めていきたいですね。